ひとり旅
旅先で普通の日本人観光客（短期旅行者）に会って話す機会があると、きまってされる質問がある。「ひとり旅だと寂しくないですか？」 きっと、これを読んでいる
皆さんも同様の疑問を抱くと思いますが、どうですか？
確かに、何ヶ月もずっとひとりでいたらとてつもなく寂しいだろうな〜と思うが、実際にはそんな事は絶対にありえない。世界中の何処に行っても、必ず日本人旅行者は
いる。不思議なくらいにいる。どんなにへんぴな場所に行こうと、必ず出会ってしまう。そして一度出会ってしまうと、その場で立ち話が始まり、そのうちに「一緒に
食事でもどうですか？」という流れになる。お決まりのコースってやつですね。まあ、だいたい情報収集（安宿やお薦めの場所等）が目的なのだが、なんとなく気が合って
次の目的地が一緒だったりすると、「じゃあ、一緒に行きましょうよ。」となる。必然の流れかな。
一緒にいる間は、宿代を浮かせるためにダブル（ツイン）の部屋をシェアしたり、食事の時も別々の物を注文して分け合ったり、ちょっとした時の荷物の管理や安全面でも
有利だし、何より話し相手になるので、結局ずるずると１〜２週間は一緒に過ごすことになる。そして、お互いの目的地が別々になった時点で、お別れとなる。
お互いに利害関係なんて何も無いし、気に入らなければその場で別れればいいんだし、非常にさっぱりした関係が保てる。時にはしだいに人数が増えて８人ぐらいに
なったりもするし、たまには女の子と２人きりで２週間ぐらい過ごすこともある。そういう時でも一緒の部屋に泊まったりするのだが、男女という枠を超えて、旅の仲間
として自然に接する事ができる。ちょっと不思議な感じがするでしょうが、事実である。（少なくとも自分の場合は。それがきっかけで恋人同士になる事もあるらしい。）
写真は、パキスタンのフンザ地方（パスー）で仲間たちとヒッチしたときのものである。（この中に作者がいます）
しかし、あまりに長い間他の旅行者と一緒にいると、かえって無性にひとりになりたいと思う事がある。そういう時は、他の旅行者と出会っても適当に話をして情報だけは
集めて、すぐに別れてしまう。そしてひとりの期間が長くなるとまた他の旅行者を探すという、その繰り返しが続く。
だから、結論として、決してひとり旅でも寂しくはないもんである。
以上